特別支援学校ってなに?どんなところ?初めての人にもわかりやすく解説

初心者向け

こんにちは、ふくまるです!

みなさんは、「特別支援学校」をご存じでしょうか。「名前は聞いたことがあるけれど実際にどんなことをしている学校なのかは知らない」「見たこともない聞いたこともない」などという方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、特別支援学校について初めて知るという方にもわかりやすいよう、かんたんに解説をしています。

昨今、特別支援教育に関する専門性は、すべての学校・教員に求められています。今後もさらに需要は高まり、だれもが知っておかなければならない、知っておきたいのが特別支援教育ですこの記事を読めば、特別支援教育を知るための最初の1歩がよくわかります。

特別支援教育について勉強したい方、少しでも興味のある方は、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。

特別支援学校の目的

特別支援学校は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。 以下同じ。)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする。

学校教育法第72条より

学校教育法にあるとおり、特別支援学校は、障害のある子どもに対して、通常の幼稚園、小学校、中学校、高等学校に準ずる教育をおこない、子ども一人ひとりの障害特性を考慮し、個別最適に学ぶことができるよう配慮がなされた学校のことです。

「準ずる」とは原則同じという意味です。

特別支援学校の特徴について

主な特徴としては、以下のものが挙げられます。

  • 1クラスが10人程度の少人数
  • 幼稚園、小学校、中学校、高等学校と一部異なる教育課程
  • 自立活動がある

学級編成について

1クラスは、10人程度の少人数です。学部(幼稚部・小学部・中学部・高等部)や障害種などによっては、1クラス6人以下の場合もあります。ちなみに、特別支援学校の学級編制の標準は、小学部・中学部においては6人、高等部においては8人、重複障害児童生徒の場合は3人とされています。

通常の学級が40人程度であるのと比べると、かなり少人数であることがわかります。

先生も1クラスに2~4人程度いることが多いです。先生1人に対する子どもの人数が少ないので、一人ひとりの子どもに対して、よりきめ細かい指導・支援が可能です。

また、ホームルームクラスとは別に、授業のクラスは習熟度別に分かれていることが多いです。

授業の形態について

授業は、ティーム・ティーチング(TT)といって、複数の先生が授業に入ります。それぞれの先生が役割を持って、協力をしながら授業をしていきます。たとえば、授業を進行する役割の先生、子どものつまづきで個別に説明が必要なときに質問に答えるなどの対応をする先生、自立活動を中心に障害による様々な困難を克服することを支援する先生など、子どもの実態や障害特性に応じて授業における役割は大きく変わります

特別支援学校では、通常の小学校・中学校・高等学校の各教科の授業をおこなうだけでなく、各教科の全部または一部について合わせて授業をおこなうことができます。

自立活動について

通常の幼稚園、小学校、中学校、高等学校とは異なり、自立活動があります

自立活動」の目標は、以下のとおりです。

個々の生徒が自立を目指し,障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養い,もって心身の調和的発達の基盤を養う。

特別支援学校高等部学習指導要領(平成31年2月 告示) 第6章 自立活動 第1款 目標より

自立活動とは、障害による困難を改善・克服するために取り組む活動のことです。自立活動は、学校の教育全体を通じておこなわれます。

自立活動の内容は、6区分27項目ありますが、各教科等の授業とは異なり、すべての区分・項目をおこなう必要はありません。子ども一人ひとりの実態や障害特性に応じて、個別におこなわれます。内容の区分は、「1 健康の保持」「2 心理的な安定」「3 人間関係の形成」「4 環境の把握」「5 身体の動き」「6 コミュニケーション」の6つあります。

自立活動は、通常の幼稚園、小学校、中学校、高等学校の教育課程にはありませんので、特別支援教育の大きな特徴の1つといえます。

評価や成績について

個別の教育支援計画」に基づいて、「個別の指導計画」を作成し、一人ひとりに合わせた目標や学習内容を設定し、個別に評価をします

個別の指導計画とは、各授業でそれぞれ担任や担当の先生が、子ども一人ひとりにそれぞれの目標を立て、達成できるような支援の手立てを考え、学期ごとや年度ごとに評価をするものです。

成績は、文章で表記されることが多いです。一人ひとりの様子をしっかりと見て、子どもの成長を促してくれます。

通学方法について

通学バスがあることが多いです。特別支援学校のスクールバスが、それぞれの居住地区を決められたルートで回り、幼児児童生徒を迎えに行きます。バスの乗車時および下車時には、保護者等の同伴を原則としている学校もあります。

公立の特別支援学校では、通学区域が定められていることが多いです。基本的には、住んでいる地域によって学校が決まるということです。

また、特別支援学校が病院に隣接しており、病気などで入院をしている子どもが通いやすいようにしている場合や、通学して教育を受けることが困難な子どもに対して、自宅や病院、施設等に訪問をして指導している場合などもあります。

給食について

特別支援学校では、小学校や中学校のように給食のあるところが多いです。

咀嚼や嚥下など、食べることに機能的な課題をもっている子どもが在籍していることも多いので、幼稚部、高等部においても学校給食のあるところがあります

特別支援教育就学奨励費について

特別支援教育就学奨励費とは、特別支援学校や特別支援学級に在籍している幼児児童生徒の保護者に対して、経済的負担を軽減するため就学に必要な経費を補助する制度です。例えば、教科用図書、学用品、通学費、給食費などの全部または一部が、国や地方自治体の負担となります。世帯の収入等により補助される金額が異なりますが、特別支援学校や特別支援学級に在籍している全ての幼児児童生徒が、就学奨励費の対象となります。

教員について

特別支援学校の教員は、特別支援教育に高い専門性を持ち、支援の方法や障害理解についてとても詳しい人が多いです。

特別支援学校教諭の免許状を取るには、基礎となる免許状(幼稚園、小学校、中学校、高等学校)を取ることに加え、特別支援教育に関する単位を修得するなどが必要です。特別支援学校においては、約9割の教員が特別支援学校教諭の免許を保有しています。

一方、小学校および中学校の通常学級や通常の高等学校においても、在籍する障害のある子どもの割合が増え続けています。今や特別支援教育に関する専門性は、特別支援学校の教員だけでなく、すべての学校・教員に求められているものになってきています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

特別支援学校がどんなところであるかイメージすることができたでしょうか。今回は、全体的な概要を解説いたしました。特別支援学校とは、子ども一人ひとりの障害特性を考慮し、個別最適に学ぶことができるよう配慮がなされた学校のことです。障害のある子どもに対して、少人数による学級編成で、自立活動を中心に一人ひとりにきめ細かい指導・支援を実践しているということが特徴でした。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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